二冊目の日記

Jul, 2023

7/13 thu

ヴィム・ヴェンダース未公開短編特集@菊川 Stranger

 

勝手にしやがれ』のベルモンドがカンパーニュなんたら通りを崩れながらよろめくシーンを横から撮ったような感じで、ライフルを抱えた男がフラフラと前進する
色が変わる、オープニングでも「ショットを繰り返して染色した」みたいな説明書きがあった、さっきと同じようなシーンが映る

それにしてもさっきまで8時間かそれ以上、100分を1分に凝縮させることを価値としていた(か会社にいる間だけはと割り切っていたかetc)のであろう人たちが、頭を並べてとても代わり映えするとは言えないような画面を見上げているというのは、何だかまったりするし贅沢だ

ホワイトノイズが心地いい、早稲田松竹のゴーっという地下鉄の音、渋谷のヒュートラかどっかで仕事帰りに見た『デッド・ドント・ダイ』のオープニング、あの映画もこんな感じだった

オフビートっていうよりは、呑気な感じ 呑気というのは素晴らしいことだ 映画って呑気なもんだな

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幹線道路の交差点、多分午前4時とかで、5階かそのくらいの高さから見下ろしている

車が通る、1台目は直進して、時間差でやってきた2台目がふわーっとスピードを落として左折する、人っこ一人いないのに、信号を守って律儀なものだ

昔家族でディズニーランドに行くときは帰りが大体深夜1時とかで、その時だけは近所の松屋に寄ってドライブスルーで牛丼を買ってもよかった、誰が禁止して誰が許可するわけでもないが
テイクアウトした牛丼を、ピクサーの映画を見ながら食べたりとかしていた、父親は感動シーンでいつも真っ先に涙していて恥ずかしかった、父親は最近50歳になった

カメラが下に降りる、意外と街角だ、電話ボックスから女が出ていく、鳩が1羽、ジョンレノンのような横顔の男がタバコに火をつける、マッチの火で火傷しそうになる、鳩が地面を啄き出す、鳩が地面を啄き出す 明け方だ、青い なるほど昔のボレックスで撮るとこんな風になるのか
明け方は青だった、青い明け方とそうでないのがあった、周りが青く澄んでいて静かで、そんな中で歩いているとき、何かが多少はマシだった
明治通りビッグボーイの隣のドンキ、少し下り坂になったアスファルト、あの時はそんな風だった

画面が白く発光して、またさっきの交差点、まだ日が昇っていないが今度はやけに車が多く渋滞気味、テールランプの赤が連なって進まない、出勤?そうかもしれない、井上さんがパリに留学していた頃、家を出る時もまだ暗かった、パリジャンは暗い中でカフェに立ち寄りエスプレッソをぐいっとやって仕事へ出かけるとか言っていたが、そういう感じか にしてもここはドイツだっけか、ドイツだったとしても大体そんな感じなんだろうか

テレビの中で綺麗な女の人が身体を揺らしている、バンドがギターを弾く、手首にミサンガみたいなアクセサリーをしている、レスポールか、というかミックテイラー?、ボーカルはミックジャガーに似ている、てことはストーンズだ、ということはさっきの女の人もミックジャガーだったということなのか

今度は夜、地面が濡れていて、集まって一つになったり離れたりするヘッドライトの白が漁火みたいで、その上の街灯も白く、何だか秩父とか四国のどこか辺りの、年に一度の屋台が立ち並ぶ感じの張りきった地元のお祭りのようだ

夜といえばヘッドライトで、テールランプは明け方のイメージしかない

 

 

 

 

 

 

 

 

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22:56 都営新宿線馬喰横山

開いたドアの間のホームには青いベンチが5席、向かいには『吉田類の愛する低山30』の車内広告がある。ローファーが汚れている。SerifとSans-serif

人事をアテに酒を飲む会、こっち側とあっち側—「問題はあっちだよね、なんとかしないとさあ、」—、上層部なりの悩みの種、貸し借り、不仲、ランチ、てい・・日経ビジネス、長いナイフの夜、インバウンド需要、貢献、古いだけでおれのiPhoneは汚くない

 

“命の価値”を口に出して英訳してみた時にvalue lifeとか 音でギョッとならない、か

 

「自分以外の人間を**だと思ってるから」とか「世界を見下している」とか、別に2年目もどうぞちょっかいだし続けてもらって構いませんが、思ってないので思ってません以外返すことはありませんので

 

お金持ち・選ばれること・選ぶこと、に×印を付けるのに、時間をかけすぎだ